パンドラの匣(2009,日)

パンドラの匣  〜えらくシュールな学園ラブコメ


初めての映画館、シネ・リーブル博多駅に行ってきました。
本当はキャナルタランティーノを観るつもりだったけど、ちょうどよい時間がないため予定を変更してシネ・リーブルへ向かった。空気人形、脳内ニューヨーク地下鉄のザジ……ここの映画館にも観たい映画がたくさんあるんだよなぁ。

さて、本作パンドラの匣太宰治の小説が原作。時代設定は戦後すぐだけど、たぶんそんなことはただの雰囲気作りでしかなくて、物語は現代的感覚で進む。
主人公は戦争とか病気とかいろいろと物理的な制約を背負いながら”新しい男”として自立しようとする青年ひばり。本人は大いにもがいているんだけど、どことなくリアリティがないのは療養所という非日常空間を舞台としているからだろうか。
ストーリーは基本的に学園ラブコメ。療養所(学園)の患者(すべて男)と看護婦(すべて女)たちの日々の暮らしの中に、友情とか対立とか出会いとか別れとか恋愛とか嫉妬とか抜け駆けとかツンデレとかがある。

ひばり役の染谷将太さんは「若いのに大人ぶってる」演技が若々しくて素敵だった。
若い看護婦マア坊役の仲里依紗さんは、なんだかちょっと表情が長澤まさみっぽい、けど、とてもチャーミングでかわいらしい。この仲さん、「時をかける少女」の主人公の声もやっているらしい。この映画もすばらしかった。
洞口依子さんがもっと魅力を振りまいてくれると思ってたのに出番が少なくて残念。逆にひそかに楽しみにしていたふかわりょうは予想外に出番が多くてびっくりした。窪塚洋介さんはこんな役が多いよね。