アバター(AVATAR, 米、2009)

アバター 〜21世紀の西部劇〜


「現代版西部劇って感じだね」上映が終わった後のパートナーの第一声。確かに……と思ったので、今回は一緒に鑑賞したパートナーの感想を元に、観賞後に入ったイタリアンでワインを飲みながら交わした話をまとめてみます。(いつも映画は一人で観るのに今回は珍しく2人で観ましたので)

・メガネっ子にはつらい。
初のデジタル3D。パートナーはメガネっ子。上映前から「これはキツイやろ〜。眼鏡の上からどうやってかけろっちゅーねん。」などと言っていたが、やはり3時間かけっぱなはハードだった様子。普段は眼鏡をかけない私でも,3時間の上映後にはさすがに目と鼻と頭が痛くなった。何より重いし形も悪くてかけにくい。なお今回は吹き替えで鑑賞。

・詰めが甘い?
このクオリティの作品に対して「ストーリーの詰めが甘い」という感想は,私から見ればちょっと厳しいように思う。ただし主人公ジェイクのお兄さんの設定とか,ノーム(主人公とともにアバターを操作する学者)の位置づけとか,グレイスはナヴィの部族に何の教育をしていたのかとか(「俺たちは彼らの求めるものを何も持っていない」はずでは?),何でナヴィは突然やってきたジェイクに通過儀礼への参加を認めるのか,などなど確かに挙げればきりがない。しかし,そういった細部への説明をはしょることでパンドラにおける壮大な通過儀礼の様子を描くことにたっぷり時間を使ったのだと考えれば,それは正解だろう。

・ナヴィ(CG)の食事シーンがない。
食事のシーンは宇宙食みたいな実写のみ。せっかくなので美しいCGでナヴィの食事シーンを見たかった。

と,ここでは文句ばかり書いてしまったが,実際には二人とも大いに楽しんだ。CGや3Dの必然性はいうまでもなく,とにもかくにも美しい。実写とCGの境目は自然で(パートナーはしきりにジュラシック・パークと比較していた),3時間とは思えないほど作品に集中することができた。
随所に”先住民”というものに対する制作側の視点について考えさせるシーンがあった。この21世紀にアメリカが西部劇を作るとこうなるのかなぁなんて考えながらみてみるのも面白いかも。うむ。