(500)日のサマー((500)days of summer,米)

(500)日のサマー  〜君の幸せを、祈ってるよ〜


中学生みたいな恋愛をしちゃっている大人(おそらくみんな30歳は越えているだろう)たちのお話。30代の青春映画といったところでしょうか。前回の「かいじゅうたちのいるところ」に続いて今回も青春映画。いやぁ〜〜青春って年齢も種も問わない永遠のテーマなんだね。

はじめに,「これはボーイ・ミーツ・ガールの物語でありラブストーリーではない」とのナレーションが入るのだが,まぁしかし基本的な内容はラブストーリーだと言ってもいいんじゃないかと思う。ただしラブ要素だけでなくおしゃれ要素やコメディ要素も適度に加えられていて、ベタベタしていない。軽い気分で観ることができる,それでいて完成度は非常に高い作品。

見所も多い。サマーのヘアースタイルやファッションはとってもキュートでステキ(サマーの服装は白、黒、青、緑が基調で、特に青が多い)。それに対するトムも10年後のウェンツ瑛士みたいでなかなか雰囲気がある。加えて男3人組み+サッカー少女による恋話も中学生っぽくって面白い。

欲を言えば、サマーとトムとの500日間が時系列ではないため、いったい何がきっかけで後半(400日ぐらいだったかな?)の「距離をおかなければならない状況」に至ったのかが分かりにくい。まぁこれゆえに「ラブストーリーではない」のだろう。
サマーとトムのやり取りにカードネタが全く絡んでいなかったは残念。せっかく仕事のネタがたくさん入っていて,特にミーティングで”大演説”までするんだから,一度くらいカードが絡んでもよかったんじゃないかなぁ。ただ,あの大演説があったからこそ,終盤で登場するセリフ「君の幸せを祈っているよ」には,重い重い意味がある。ここでは思わずジーンとしてしまった。
しかし感動だけでは終わらないのがこの作品のよさでもある。しんみりした後にも希望はやってくる。季節はちゃんと巡っていくのである。うむ。

それから予告編で流れている音楽をはじめ,作中で登場する音楽はどれも印象的。スミスやベル&セバなんてストーリーにも絡んでくる。早速サントラを購入して家でも聴いてます。