レフェリー -知られざるサッカーの裏舞台-(2009,ベルギー)

レフェリー 〜イカした親父たちの戦い〜


この一月弱ですっかりにわかサッカーファンになってしまった。日本vsパラグアイは23:00キックオフ。仕事後にまっすぐ帰れば最短で20:30には自宅に着くので観戦には問題がない。しかし、この日私は、危険を冒してシネリーブル博多駅で公開中のこの映画を観てから帰ることにした!

FIFA公認のドキュメンタリー映画。主役はレフェリーで、舞台は2008年の欧州選手権。サッカーのゲームにとってレフェリーがどういう存在なのかよく知らないにわかファンにとっては勉強になる。
審判団は主審1人、副審2人の3人で構成。決勝戦だけは4人になるらしい。3人は通信機で連絡を取り合い、ファウルやオフサイドを見極め、最終的には主審が笛を吹いて判断を下す。その通信はなんとも迫力があり、笛を吹いて選手に近づきカードを出すまでの間にまさかこんな緊迫のやり取りが行われているなんて、と驚く。
それから何といっても主審たちがみんなかっこいい。おいおい、ルックスで選んでるのかよといいたくなる。特にイングランド審判団の主審ハワード・ウェブ氏。毎日のトレーニングで鍛えているのでマッチョだし、誤審をマスコミに突っ込まれても向きになることなく英国紳士なジェントルマン態度で対応するし。
準々決勝以上のゲームに出るためには、リーグ戦を勝ち残らなければならない。これは選手だけではなく、レフェリーにも言えること。レフェリーだって決勝戦に出たいのだ。適切なジャッジをし、選手とうまくコミュニケーションをとり、うまくゲームをコントロールしなければならない。逆に不適切なジャッジで選手や監督、サポーターたちを敵に回してしまうと、トーナメントを勝ち上がることはできず、帰国させられてしまう。
選手と違う点は1つだけ。それは自分の出身国のゲームに出ることができないということ。スペインの審判団は、スペインチームが準決勝で勝てば決勝というステージに上がることはできない。彼らは万全の準備をしながらも、複雑な思いで準決勝のゲームを見守る。そして結果は……。

ハワードさん、そして決勝戦で主審を務めたロベルト・ロセッティさんは今回の2010WCでも審判を務めているらしい。日本チームは準々決勝へ進むことができませんでしたが、代わりに日本の審判団は残ったそうです。日本人審判の試合をぜひ観てみたくなりました。