最近観たDVDとか(9月第2弾)

○ミルク(2008,米)
ゲイであることを公表して公職に就いたハーヴェイ・ミルクの伝記映画。なので結末ははじめから分かっている。それでも特に後半以降、同期議員のダン・ホワイトとの駆け引きが始まると、緊張が高まってくる。
この作品の魅力は、やはりショーン・ペンに尽きるでしょう。目尻下がりっぱなしで終始ゆるい表情(他の作品に比べればだけど)に、はじめはすごい違和感。でもすぐに慣れちゃった。さすがオスカー俳優。


愛のむきだし(2009,日)
とにかく長くて何度も挫折しそうになった。とんでもないところで現れたタイトルバックに、「えっっ、まだ始まってなかったの!?」。本作がどんな映画なのか、私にはよく分かりません。安っぽい演出とどことなくダサい服装がドラマ仕立てのAVみたいな雰囲気をかもし出していて、寒々しい感じ。そしてまぁみんなよく叫ぶ。金切り声を上げて叫ぶ。満島ひかりちゃんがかわいかった。洞口依子さんを見つけられなかった…。


○ディア・ドクター(2009,日)
西川美和さんの作品は面白い。私の頭の中にはそうしっかりと書き込まれているので、期待せずには観ることができない。で、「ゆれる」(2006)の衝撃には届かなかった気がする。
もちろんすばらしい作品だと思う。小エピソードの挟み方とか。ただ、偉そうに言ってしまえば、前作は脚本がすごかった。その次に演出。一方で本作は、言ってみればお話はすでに分かっている。だから本作の魅力を作っているのは演出だと思う。本作でひっそりと輝いていたのは何といっても香川照之さん。とりわけ喫茶店でイスごとぶっ倒れるシーンは、この映画で最もすばらしいシーンだった。そして意外なことに瑛太さんもよかった。
もちろん鶴瓶さんも。今年のはじめに「おとうと」(2010)を観たときにも思ったが、彼の本職って何なんだろう。落語家?役者?マルチタレント?